形態

Polypterus は「多くの(Poly)ひれ(pterus)」という意味で、名のとおり背中に小離鰭(しょうりき)と呼ばれる菱形の背びれが10枚前後ある。

これは、尾びれに当たる位置にまで並び、尾びれに該当する鰭はない。

細長い円筒形の体と腹背にやや扁平な頭部をもち、体長は30cmほどのものから1m近くになるものまで、種類によって異なる。鼻孔は細い突起となって前方に突き出しており鼻管と呼ばれる。

「ガノイン鱗」と呼ばれる象牙質とエナメル質に覆われた菱形の鱗をもち、それらが皮のように連なって硬く体を覆っている。

胸びれはつけ根に筋肉が発達し、四肢動物の腕のようになっている。うきぶくろは2つに分かれ、肺のようにガス交換を行い、鰓呼吸と並行して空気呼吸をする。

稚魚には両生類の幼生のように1対の外鰓があるが、成長すると消失する。これらの特徴から、ポリプテルスは魚類と両生類に進化する分岐点にある動物と考えられている。

古生代から中生代にかけて栄えた硬鱗魚と同じような特徴をもち、現生魚のアミアやガーなどとも共通する。

ポリプテルス自体も約4億年前のダンクルオステウス(ダンクレオレステス)のような大型の魚類進化の時代であるデボン紀に現れたといわれ、多くの生物が絶滅する中、現代まで姿形をあまり変化させずに生き残ってきた。

このため「古代魚の生き残り」「生きている化石」などといわれる。2006年にはチャドで中新世後期の地層から全身化石が発見され、Polypterus faraouと命名された。

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